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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第4章 ピアノレッスン~シド~




「………モー君、に」

「モー君?誰だ、そりゃ」

「ウィルツの、有名な作曲家。ヴォルフガング・アマデウス・モー・ツマラナイト………知ってる?」



「何を言われた?」



「え、何って………」



シドが何を聞こうとしているのか、何をこんなに焦っているのか、まったくわからなくて………。



「アイツに、何を聞いたんだ?」



「な、何も………あっ、えと、そうだ、この曲は、シド自身だからって………」

「それから?」

「それからって………それだけだよ」

トンッと、背中が、壁につく。

シドは、はっと我に返ったかのように息を吐き出すと、私から身体を離す。

「アイツが作曲したって事、か」

「シドをイメージして作ったって言いたかったんだと思うの。ねえ、シドは、モー君と知り合いなんだよね?」

「そんな奴、知らねえ」

「嘘。知り合いじゃなかったら、こんなふうに曲を作ったりしないよ。それに、モー君は………っ」



ダンッツ!!!



シドの拳は、私のすぐ横で振りかざされ………。

壁に大きく叩きつけられた―――。



ビクリッと、肩を震わせた。



「アイツに迫られたのか?それとも、お前から誘ったのか?」



………何を、言っているの?



頭の中が混乱している。

私には、わからない事だらけだ―――。



さっきから、シドは何を言っているんだろう。

何を聞きたいのだろう。



―――何を、勘違いしているのだろう………。







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