• テキストサイズ

【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~




~治療~





ルイとの電話を切って、しばらくした。

あと少しで洋館に辿り着く―――そんな頃、私達の前に、ロベール先生が現れた。

正直、すごく驚いた。

ルイに頼まれたと言うロベール先生は、医師の資格を持っているとのことだった。

二人でベッドにシドを寝かせると、ロベール先生は、ジャキジャキとシャツをハサミで切り、治療を始めた。

あまりの出血の多さに、目まいがしそうだった。

身体の力が抜けていき、床にペタンと座り込んでしまう。

頬に流れ落ちてきた、雨か汗か涙かわからないものを拭うと、手についた血と混ざり、朱になって広がった。

シドとロベール先生を見やりながら、汚れた顔をハンカチで無機質に拭く。



「ナイフで刺されたようだね。傷は思ったより深いけど、命に別状はないから安心して」



その一言を聞いて、ホッとしたら、また涙が溢れてきた。

良かった………。



雨が、窓を小さくポツポツと叩いている音がかすかに聞こえるだけ。



静かだ。



改めて部屋の中を見回す。

ここは、すべてを見渡せる広いワンフロアになっている。

部屋と部屋の仕切りを取り払って、改装したのだろう。

今、シドが横になっているベッドは右端にあり、その横には、整然と並んだ本が収められている本棚とタンス。

真ん中には、ローテーブルを囲うようにソファが置かれている。

左側には、キッチン。食器棚と冷蔵庫がある。

それだけだ。

無駄な装飾は、一切ない。







/ 978ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp