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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~




『わかった、落ち着いて。今、どこ?』


「シドの………隠れ家の、近く」


『青い屋根のだね?とりあえず、そこまで………』


「む、無理なの。私一人じゃ抱えられないのっ」


ボロボロと涙が溢れてきて、どうにもならない。



『マイン先生も、ケガしてるの?』


「わ、私?私は、平気。でも、シドは、いっぱい血が出てて………どうしよう、どうしたらいい?私、私だけじゃ………どうしようもできなくてっ」


『すぐ助けに行く。そこにいて』



電話が切れる。

グイグイと、汗と涙を拭う。

もう一度、シドを肩にかけ、奮闘する。

ギリギリと音を立てそうなくらい、歯をくいしばる。

それなのに。

立ち上がることさえできない。

重力のままに投げ出された手足。

背中にズシリと感じる、シドの全体重。



―――意識のない人って、こんなに重いんだ。



自分の無力さに、情けなくて、また涙が滲んできた。



ポツン、ポツン。



ゆっくりと、容赦なく、雨は、忍び足を始めた。

負けじと足を踏ん張り、一歩を踏み出す。



ズル………ズル………。



引きずるように、少しずつ前へ進む。



ルイが助けに来てくれる。

それまで私が頑張らなきゃ。



頑張れ、頑張れ、私。

頑張って、シド。



だから、お願い。

死なないで―――。







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