第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
そうして、入ったのは、オシャレで高級感漂うブティックだった。
「いらっしゃいませ」
優雅な仕草の店員に軽く手を上げるシド。店員と顔見知りのようだ。
他の女の人も、ここに連れて来たりしてるのかな………なんて勘ぐっちゃう。
………っと、なんで、そんなこと気にしなきゃいけないの?
私には、関係ないっ。
気を取り直して、明るい店内をゆっくりと歩き回る。
きらびやかなドレスの数々に、目を奪われる。
ズラリと並んだドレスの一枚を手に取る。
柔らかいブルーにキラキラ輝くビジューを散りばめた豪華なシフォンワンピース。
あ、これ、素敵。
けど、ちょっとオシャレし過ぎだよね。
というか、その前にお値段が無理だと思う………と、値札を見て、急いで手を離す。
け、桁が違うっ。
このお店では、買い物できないよぉ。
シドを目で呼び寄せる。
「なんだ、それがいいのか。試着してみろよ」
「あ、いや、そうじゃなくて………」
「これに合う小物を見繕ってくれ」
店員に声を掛けると、試着室に服と私を押し込む。
ちょっとぉ、強引なんだから。
ま、でも、着てみるだけなら、いいかな。
私は、ウキウキと着替える。
用意してもらったアクセサリーも身につけ、試着室のカーテンを開ける。
「とてもよくお似合いです」
「悪くねえ」
店員とシドの声が重なる。
「でも、ちょっと気張り過ぎるかな~って」
いかにもお買い上げ的な雰囲気に焦りながら、ニッコリしてみる。