第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
「わかりました。何か吹っ切れました。ありがとうございます」
「それなら、よかった。また何かあったらいつでも相談に乗るよ」
ロベール先生にお礼を言って、職員室へと戻った。
カチャリ。
鍵のかかった引き出しを開ける。
前に、ジル教頭からもらった芽瑠先生のファイル。
パラパラと3年生のファイルを捲っていく。
続けて、2年、1年のファイルを同じように捲り、パタンと閉じる。
思ったとおり、シドのページだけがない。
初めはあったのかも。ジル教頭が、渡す前に抜き取った可能性が高いよね。
わかったよ、わかりましたよ。
これ以上シドのことを追求するのは、やめますよ!
明日、出かけるのは、『教師と生徒』では、ないけど。
―――出かけるくらい、いいよね。
私は、もう一冊のファイルを開ける。
街の地図や、おすすめのお店のページに見入る。
明日を楽しみにしても、いいよね?