第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
「すみません。最重要任務にしては、猫缶代は、シドが自分で出してるみたいですけど?それなら、学園で負担するのが筋だと思うのですが」
「猫缶?」
「はい」
「猫缶?」
ジル教頭が、また繰り返す。
「………はい」
えっと、なんか………いきなり、場の空気が変じゃない?
「ジル教頭、話がくい違っているように思うのは、私だけでしょうか」
学園長が、静かに言う。
「………私も、そのように思います。申し訳ございません。どうやら、私のミスのようです」
ジル教頭が、学園長に頭を下げる。
事態がよく飲み込めないんだけど………少なくとも、『特命』が猫にエサをあげることではないとは、理解した。
ジル教頭は、私に向き直って―――。
「こうなっては、お話するより仕方ありませんね。シドは、生徒のふりをしていますが、実情は、学園の特命を受けて動いております」
………生徒のふり!?