第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
「安心してください。私も一応、経験がありますし」
昔、近所に住み着いたノラ猫にエサをあげてたことがあるからね。
ノラ猫は人間に対して、どうしても警戒心が強いから、油断すると怪我を負うこともある。
「そのような経験があるとは、初耳です」
「けっこう慣れてる方ですよ」
「慣れてる?」
「はい。それに、私、こういうコト好きなんで。性分に合ってると思います」
「………とても、そうは見えませんが」
ジル教頭は、驚きに目を丸くしている。
………そんなに驚くことかなあ。
「マイン先生は、この件に関与すべきではありません」
「でも、私、シドが手いっぱいの時は、お手伝いする約束をしたので。シドも了解済みです」
『代わりにエサあげてほしい時は、電話してきていいよ』って言ったら、『そういうことなら、頼りにしてやる』って言ってくれたもんね。
ジル教頭が、フウッとため息をつく。
「マイン先生。シドへの特命は学園の最重要任務で、お遊びではありませんので」
「最重要任務………」
猫にエサあげるのが、学園の最重要任務って!
この学園では、猫が崇拝されてるのかな?
神様として祀ってるとか?