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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第4章 ピアノレッスン~シド~




ふうっと、軽くため息をつき………もう一度弾こうとした、その時―――。



コン、コン。

小さなノックとともにドアが開き、ルイが思いつめた表情で入ってくる。

「あ、ルイ。公務?忙しかったの?」

「マイン」

「ん?」

どうしたんだろう………。

硬い表情のルイ。



「レッスンは、もうおしまいにしよう」



「………へ?」



唐突なルイの言葉に、おかしな声を上げてしまう。

「2人で練習しない方がいいと思う。君のためにも………俺のためにも」

「………」

「後は、お互い別々に練習しておこう」

「………え、なんで?もうすぐ音楽祭だよ?これからこそ2人で合わせていかないと、なのに」

「ごめん、俺は無理」

「………あ、え?無理って………なんで?」

頭の中は、ハテナ状態。

唐突なルイのこの言葉に、思わず首を傾げる。

無理って………。

目を瞬かせて、次のルイの反応を待つ。

「じゃ」

短く言うと、部屋を出て行こうとする。

「じゃ、って………帰っちゃうの?ルイ?」

私の呼び止めに振り向きもせず、去って行ってしまった。

1人取り残されて、ただ、ドアの方を見やっていた。

………ルイったら、どうしちゃったんだろう。

公務が忙しくなって、時間が取れないって言いたかったのかな。

だから、別々に練習しようって言い出したのかな。

そう思おうとするけど、なんとなく腑に落ちない。



………何か、あったのかな。



でも、まあ、お互い、もうかなり弾きこなしているから………大丈夫、かな。

気を取り直して、またピアノに向かう。







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