第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
クイクイッ。
ボールペンが、私の手の平を滑っていく………。
少し痛いけれど、おとなしく、されるがままでいる。
そうしていると、数字が書き込まれていく。
「電話番号?」
「ここに来る時は、俺に連絡してからにしろ」
「ん、わかった」
シドの電話番号か。
教えてもらえるなんて、なんか嬉しい。
シドは、ゴミ袋を担ぎ、軽く手を振って歩きだした。
私は非常口から校舎へと戻ろうとして。
スカートのポケットからスマホを取り出す。
手の平の番号を入力して―――。
トゥルルル、トゥルルル………。
三度目のコールで、電話がつながった。
『早速、何の用だ』
シドの面倒くさそうな声が、電話越しに聞こえる。
「これ、私の番号。代わりにエサあげてほしい時は、電話してきていいよ」
『そういうことなら、頼りにしてやる。じゃあな』
すぐにでも電話を切りそうな勢いのシド。
「あの、ね、シド………」
私は、慌てて言葉を繋げる。
明日、出かける約束って………覚えてるのかな?