第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
「先公はラクでいいな」
「毎時間サボってる人には、言われたくないよ。でも、本当に授業出ないと卒業できないよ?このままじゃよくないってわかってるよね?ねえ、私でよかったら、いつでも教えるよ」
立ちあがりながら、そう言うと。
「なら、教えてもらおうか」
シドも立ちあがって、急に距離を詰めてくる。
ハッとした時には、肩を掴まれていて。
息が触れ合うほどに、顔が近づいていた―――。
「俺のコト気にして、こんなひと気ねえトコまで追いかけてくるなんてよ。マイン、お前、俺に惚れてんのか?」
「は!?そんなわけないでしょ!」
呼び捨てにされて、ドキンとする。
「白衣姿ってのも、またイイな。実験してみるか?ドコをどうすれば、感じるか、とか」
ツゥッ。
白衣の襟を指で辿る、シドの指。
「な、何して………」
シドの射抜くような瞳に、ビクリと身体を震わす。
「男と女の化学反応ってヤツだよ。マイン先生、経験少なそうだもんな。代わりに俺が教えてやるぜ?」
「わ、私は勉強の話を………っ」
「こういうのも社会勉強だろ」
フッ。
首筋に息を吹きかけられて。
「ちょ、やめっ」
―――逃げなきゃ。
そう思うのに、足がすくんで、動けない。
どうしようもできなくて、ギュッと目を閉じる。