第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
あ、けど。
猫とワル。
そういえば、定番のシチュエーションだよね。
雨の日に捨てられた子猫に傘を差してあげるっての、よくあるもんねえ。
いや、でも………。
まさか、ここで、本当にそういうマンガみたいなの、まのあたりにするとは思わなかった―――。
猫の頭を撫でながら、笑みを浮かべているシド。
ふーん。
猫相手には、優しい表情を見せるんだね。
猫達は、人懐こく足元にすり寄ってくる。
私もしゃがんで猫の背を撫でる。
わ、フワフワ。
野良猫にしては、毛並みが綺麗。
これも、シドがお世話してるからなのかな?
「こんなたくさんの猫の世話するの、大変でしょ?」
「世話なんかしてねえ。エサやってるだけだ」
喉を撫でると、ゴロゴロと気持ちよさそうに目を細める猫。
カワイイ~~ ♪
「で?さっきのは何だ?自分の身体を大事にしろ、とか言ってたよなあ?一体何と勘違いしたんだ?」
シドが、からかいの眼差しで、私の顔を覗きこんできた。
「あ、あれはっ」
「ヤクでもやってると思ってたのかよ?」
「だって!授業サボって、こんなトコでコソコソしてれば誤解されても仕方ないでしょ?」
「サボってんのは、そっちも同じだろ?いいのかよ、またジル教頭に説教くらうぜ?」
「残念でしたー。今の時間は、空き時間でぇっす!」
勝ち誇ったように言ってやる。