第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
あ………っ!
シドが、何か手にしている。
その、手にしている物の蓋?か何かを開けたようだ。
廃人!止めなきゃ!!!
「ダメ!」
思いっきり飛び出して、シドの手の中の物を奪う。
―――と、中身が宙を舞った。
そして、それらは、地面にぶちまけられた。
やった!
阻止成功!!
「は?おい、何すんだよ」
ギロリッ。
不意打ちをくらって、一瞬驚いた顔をしたかと思うと、すぐに鋭い形相に変わる。
う、シドが睨んでる………。
「あ、あのね、シド、気持ちはわからなくないけど、こういうのは良くないよ。ヤケになったり逃げちゃダメ。自分の身体をもっと大事にしなきゃ」
怯まずに言葉を紡ぐ。
ワルの心に響くように、一生懸命に伝えるんだ!
頑張れ、私!
「それに、勉強なら私が見てあげるよ。だから、一緒に頑張って、今年こそ卒業しよう!ね?」
何度も留年を繰り返してきたって、ルイが言ってた。
きっともう、いろんなこと諦めちゃったり、今更一生懸命やるなんてカッコ悪いと思っちゃってるんだろうね。
「今からでも全然遅くないよ。私、シドの力になりたいの!」
じっとこちらを見て、聞き入ってるシド。
少しは、心を揺り動かせたかな?
「………って、えっ、あれ?」