第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
………あれ?
この辺りに行ったと思ったけれど………やっぱり、気のせいだったのかな。
いつのまにか、辺りに生徒達の姿もない。
キンコンカンコン~ ♪
またチャイムが鳴り出した。授業が始まる。
でも次の授業は、空きだ。
だから、そのままシド探しを続けられる!
途中の教室を覗いていくけれど、どこも誰もいない。
んっと………こっちは、もう行き止まり?
あれぇ?
他には、何もない。
どこに行っちゃったんだろう?
キョロキョロと見回して。
非常口の扉を見つける。
外に出たのかな。
ドアノブに手をかける。
カチャリ。
ゆっくりと外へと足を踏み出す。
途端に、ギラギラと照りつける太陽。
眩しい―――っ。
ここ、裏庭かな。
その先は、樹々が生い茂る森となっている。
それは、ずっと遠くまで続いていて。
聞いたところによると、果樹園や畑もあるらしい。
………とにかく、敷地が広いんだよね。
校舎を一歩出ると、周りは草木に囲まれている。
と言っても、自然そのものではなく、人の手によってきちんと整備されてる感がある。
無駄に生えている樹々はないようだ。
隅々にまで手入れが行き届いていることは、少し見ただけで感じ取れる。
それでも、森には要注意だ。
前にクロードのペット、リアンが逃げた時に追いかけて行ったけど、うっかり迷子になりかけたし。
森に入っちゃったのなら、もう探しようがない。
諦めて、元来た道を引き返そうとする。