第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
~秘密~
考えることがたくさんある。
黒崎のことは、もちろんだけど。
明日、土曜日には、シドと出かける約束をしている。
『二時にそこ、校門で待ってろ。買い物して、夜は飲みに行こうぜ』
そう言われたけど。
教師と生徒が一緒に出かけてもいいものなのかなって、ずっと考えてて。
それを話したかった。
話したところで、出かけるのをやめようとは思っていない。
シドも、きっと、そう言うだろうし。
だって、元から私が『先生』ってわかってて誘ったわけだから。
………なんだか、一人で不安を抱えているみたいで。そんなこと、心配しなくていいって言ってもらいたくて。
私は、答えが決まっている相談をしようとしている。
―――どんな理由でもいいから、シドと話がしたい。今すぐに。
………なんて、思っていても仕方ない。
3年1組の教室から制服姿で出てきたシドを思い出す。
あれ以来、シドには会っていない。
どの授業も出席している感じではなかった。というか、学園内にいるかどうかも怪しい。
それは、毎度のことで。
いつも、何やってるんだろう?
また留年しちゃうよ。
そうだよ。探しだして、お説教してやらないと!