第26章 私立リアリン学園!9時間目~シド~
足を速め、資料室へと向かう。
と―――。
角を曲がろうとして、慌てて思い留まる。
廊下の先に、黒崎がいる―――!!
曲がり角に隠れ、そっと覗き込む。
一緒にいるのは………ミシェル?
え、まさか、黒崎のヤツ、生徒に手を出してるってこと!?
………助けなきゃ!
そう思った、その時―――。
「役立たず」
低く、冷ややかな口調で、その言葉を発したのは、ミシェルの方だった………。
壁に寄りかかり、腕組みをして、黒崎を一瞥している。
ミシェルが振り払うように片手を振ると、黒崎は、苦々しい顔つきをして去って行った。
「教師のくせに、頭悪すぎ」
黒崎の後ろ姿に向かって、吐き捨てるように呟くミシェル。
………。
えっと………あのぉ、今のって、ミシェル?
や、いつも発言キツイよ?けど、あんなガラ悪くないよね?
見た目、超お嬢様なんだけど。
い、今どきのコだからね、こういうもんか?
すっかり、ビビってしまった私………。
おっと!
ミシェルが、こちらに向かって歩いてくる。
まずいっ!
辺りを見回し、急いで近くの教室に入り込み、ドアの影に隠れる。