第25章 私立リアリン学園!~ルイ~ 情熱編
「マイン先生、手足が同時に出てますよ」
「は?え?」
唐突に横から声をかけられて、慌ててそちらを見やる。
アルバートが通り過ぎざまに指摘していったのだ。
………本当だ、右手と右足が一緒に出てるっ!
恥ずかしい~~!
こんなとこ、絶対、ルイに見られたくないっ。
………違う方向から視線を感じるっ。
いつのまにか、すぐそこまでルイが近づいて来ていた。
へ、平常心、平常心!!!
ルイは、こちらを見るでもなく、スっと私の横を通り過ぎて行き―――。
「………」
ふわりと、ルイの香りだけが残る―――。
振り返ることもなく、去って行ったルイ。
でも、今………。
『放課後、音楽室で』
そう、囁かれた。
聞き間違いじゃないよね?
うわ~、うわ~~っ!!
ドキドキが、おさまらないよぉ。
『放課後、音楽室で』
ルイの言葉が頭の中で、リフレイン中~~~♪
それから放課後まで、落ち着かなくて仕方なかった。
時間が経つのが異様に長く感じられる。
やっと6時間目が終わると、心臓が飛び出そうなくらい鼓動が速まっていくのがわかる。
こんなこと、誰にも気づかれないようにしなきゃね。
早る気持ちをおさえ、こっそりとため息をつきつつ音楽室へと向かう。
今度こそ、本当に待ち合わせ。
『待った?』
『ううん、今来たとこ』
なんてっ。
想像しちゃうよぉ。