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【イケメン王宮・イケヴァン】りありん劇場♥R18

第4章 ピアノレッスン~シド~




~看過~





「マイン様、ジル様からの言付けで、午後は予定変更でピアノ室へって」

ユーリが昼食の給仕をしながら、そう言う。

「ピアノ室?」

それって、午後からピアノのレッスンって事だよね。

昨日の今日で、シドの気が変わったとは思えない。

けど、もしかして………。

すぐ横でお茶を注いでくれているユーリに、小さく尋ねる。

「あの………シドは、お城に来てるの?」

「え、シド?う~ん、今日は見かけてないし、そんな予定ないと思うけど」

「そっか………」

私は、肩を落とす。

「シドに何か用事?伝えておこうか?あ、なんなら、ジル様にもお願いしておくけど?」

そんな私の様子を気にかけて、そう提案してくれるユーリ。

「う、ううんっ、いいの!」

慌てて言う。

シドに用事………そんなものない。

彼に仕事を依頼する事はない。

私を訪ねて来る事もない。

次にいつ逢えるかも分からない―――。





最近の私は、どうかしてる。

気づけば、シドの事ばかり考えている。

そんな時、決まって、胸の奥がギュッと掴まれるような苦しさを覚える。

そして、また―――。

考えを振り払うかのごとく、首を横に振って………。

考えるのは、よそう。

シドに対する、この訳の分からない感情を、追求したくはなかった。

それを知るのも、認めるのも、怖いと思うから―――。







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