第24章 私立リアリン学園!8時間目~ルイ~
自分のありがとうの言葉で、今朝のことを思い出す。
「あの、今日、ありがとう。助けてくれて」
「………?」
「1時間目の授業の時。皆が、その、騒いでて、あれは………」
―――言いづらい。
ルイもきっと誤解してる。
だから、弁解したい。
けど。
うまく、言葉にならない………。
「別に助けたつもりじゃない。くだらない噂話なんかどうでもいいから、早く授業始めてほしかっただけ」
「………」
くだらない噂話、か。
どうでもいいって………。
キツイ一言だな。
「噂には二種類ある。当然だけど、良い噂と悪い噂。良い噂は、素直に受けとめる。けど、悪い噂は、それを流す人の妬みや恨みの負の感情が入り混じるから、どうしても真実より悪く伝わる。だから、信じるつもりはない。言いたいヤツには言わせておけばいい。気にすることない。それと………どうでもいいのは、『マイン先生』じゃなく、『噂』のこと」
「………っ!」
気になっていたことを言い当てられて、ドキリとする。
「そ、そっか。ありがと。でも、このままでいるつもりはないんだ。私を陥れようとした人を許すわけにいかない」