第24章 私立リアリン学園!8時間目~ルイ~
~噂~
………なんだろう。
とっても、違和感。
今朝、宿舎では、なんでもなかったのに、今こうして学園の廊下を歩いていると、生徒達が遠巻きに私を見ている。
―――何かが、起こっている。
ひしひしと感じられる。
それも、嫌な方向に、だ。
「おはよう」
「………っ、おはようございます」
声をかけると、挨拶は返してくれるんだけど。
皆、いつになくぎこちない。
声のトーンを落とした生徒達の話が、時折、漏れ聞こえる。
………やっぱり、あの話題だ。
『写真』という単語が聞こえ、様子のおかしい生徒達の流れを、よくよく見ていていると、ある一定方向からこちらに向かってきていることに気がつく。
―――あそこだ!
ひらめき、ダッと走り出す。
予感は的中した。
普段は、定期テストの順位を貼りだしている掲示板に、何枚かの写真がピンで留められている。
近づいて見てみると、そこには、メイド服姿の私が写っていた。
何、この写真!!!
写真自体は、加工されたわけでもなく、そのままなのだけど。
男の人と抱き合って、笑っている私の写真………。
これは、メイドカフェ内で、握手を求められたので手を差し出したのに、突然、抱きつかれた時のだ。
それから、こっち、私が男の人の頬にキスをしようとしている写真………。
この時は、普通に話していただけだ。角度によって、そう見えるだけで。
すべての写真が、明らかに悪意のある撮られ方をしている―――。
ツカツカと掲示板に歩み寄り、すべての写真を剥がす。
遠巻きに見ている生徒達を、クルリと振り向き、睨みつける。
と、皆は、慌ててその場を去って行った。
真っ先に、黒崎の顔が浮かんだ。
だって。
昨日の今日で。
………確信犯だよね?