第24章 私立リアリン学園!8時間目~ルイ~
5時間目の授業が始まった。
自由曲も決まり、合唱コンクールの練習は順調だ。
指揮担当のカインを中心に生徒達が自主的に進めていくので、私は時折指示を与えるくらいだ。
指揮と伴奏の息が合っているのか、よくまとまっていていい感じだ。
ピアノを弾くルイは、そこだけスポットライトを浴びているかのように輝いていて、美しい音色を奏で続けている―――。
ホウッと、ため息をついてしまうくらいの幻想的な光景だ。
キンコンカンコン~ ♪
6時間目終了のチャイムが鳴る。
あっというまの二時間だった。
「気をつけ、礼。ありがとうございました」
学級委員のカインの掛け声と共に全員で挨拶を終えると、生徒達は教室へ、私は職員室へと戻る。
職員室に入ると、私はすぐにジル教頭へ自由曲を提出しに行く。
「2年1組の自由曲は決まりましたね。候補の楽譜は、資料室に戻しておいてください」
「はい」
にこやかに返事をして。
ん?
残りの楽譜って、どうしたっけ?
ハタと気づき、手元を見る。
持ってないや。
………ってことは、音楽室に置きっぱなしかも!
私は、ジル教頭に悟られないよう、軽くお辞儀をして、音楽室に向かった。
他のクラスもあの中から自由曲を選ぶから、早く戻しておかなきゃいけないよね。
確か、ピアノの横に置いたままだと思うんだよね………。