第24章 私立リアリン学園!8時間目~ルイ~
と、ルイはゆっくりと歩き出す。
ふうっと息をついて、ルイの後を追って入って来た方へと戻る。
「楽譜、こっちにあったよ。行事用の棚」
「あ、うん、そっか」
入口に一番近い棚には、『行事』と書かれている。
左側の楽譜には、『課題曲』と書いたラベルが貼ってあり、クラスごとに置いてある。
そのすぐ横に、『自由曲』の楽譜が曲名順にズラリと並べられている。
ルイは、そこから楽譜を取り出してパラパラとめくっている。
私も、気を取り直して明るく言う。
「弾けそうなのを何曲か選んでくれる?その中からクラスの皆に決めてもらおうと思って」
伴奏できる曲の中から決めた方がいいよね。
ピアノの練習も大変だし。
そう思って、提案したけれど………。
「ここにある曲は、だいたい弾ける」
「え、そうなの?」
「うん。だから、うちのクラスのイメージに合う曲を、マイン先生が選んで」
「私が?でも、私まだ2年1組のこと、よく知ってるわけじゃないし………あ、ねえ、一緒に選ぼう!」
一瞬、戸惑った表情をして、頷くルイ。
「………うん。じゃあ」
そうして、私とルイは楽譜を取り出す。