第24章 私立リアリン学園!8時間目~ルイ~
………えっと。
な、何が起こってるんだろ。
頭の中がパニック寸前―――。
「泣きたかったら、泣いてもいい………見てないから」
頭の上で、囁くようなルイの声が響く。
ふわりと香る、ルイの匂いにドキドキしながらも。
キュッと目を瞑ると、両の目からは、溜まっていた涙がポロポロとこぼれ出してしまった………。
ルイの手が、そっと髪に触れる。
その仕草は、あまりにも優しくて、心地いい―――。
このまま、こうしていたい―――そう思いながら、ギュッと唇をかみしめる。
慌てて、ルイの胸を押し返して、両手で涙を拭う。
「落ち着いた?」
ルイが、私の顔を覗き込んでいるのだけど、目を合わせられないっ。
コクコクと頷くのが精一杯だ。
「黒崎には、気をつけて。二度とマイン先生に手出しできないように、もう一回クギ刺しておくけど」
ルイらしからぬ物騒な言葉に、驚いて顔をあげる。
「クギ刺すって………何するの?」
「マイン先生は、心配しなくていい」
「………」
ルイのイメージにそぐわないような強い口調に押されて、それ以上言葉を紡げなくなってしまった。