第24章 私立リアリン学園!8時間目~ルイ~
「やめて、ルイ。私は、何もされてないから。これ以上は………」
我に返った私は、ルイの腕を軽く引く。
「本当に?」
ルイは、鋭い目つきで、真っ青な顔つきをした黒崎に問う。
「ほ、本当だ。私は何も………う、ぐ………」
バンッ!!
棚が、大きく揺れて。
もう一度、黒崎を強く叩きつけるルイ―――。
「………次は、ないから」
低く鋭く、そう言うと、黒崎から手を離す。
ゴホ、ゴホ………ッ。
苦しそうに咳こみながら、逃げるように資料室を後にする黒崎。
資料室に、しんっとした静けさが戻ってきた。
そして、ルイが、私に向き直る。
「大丈夫?」
「う、うん」
「本当に何もされてない?身体に触られたとか………言いづらい?」
「それは、ない。ただ、ちょっと言われただけで………」
どこまでも青く澄んだルイの瞳に見つめられて、目を伏せる。
溢れそうになった涙を堪える。
けれど………。
まばたきをした瞬間、ポロリと、一粒の涙が落ちてしまった。
「マイン先生が嫌だと思った時点で、犯罪に値する。ジル教頭に報告した方がいい」
「ううん、もう平気だから………」
そう言って顔を上げると、ルイの心配そうに揺れる瞳がすぐそばにあって。
トン、と。
軽く肩を押されたかと思うと、次の瞬間、私はルイの胸に顔を寄せていた―――。