第24章 私立リアリン学園!8時間目~ルイ~
私立リアリン学園!8時間目~ルイ~
~二年一組 ルイ=ハワード~
おとぎ話の王子様―――。
ルイを表現するには、この言葉がぴったりだ。
もの静かで、上品で、誰もが息を呑むほどの美しさで。
………男の人に美しいって表現、適切かどうかわからないけど。
実際、女子生徒よりも格段に綺麗で。
そんな彼に微笑まれたら、誰もが彼の虜になってしまうだろう。
けれど。
笑顔のルイなんて、誰も見たことがないかも。
感情を表に出すことがなくて、いつだって無表情。
そんな彼を、ひそかに皆は、『氷の王子様』と呼んでいる。
ルイに話しかける人は少ない。
彼が人を寄せつけないようにしているからだ。
私だって、ルイに話しかけるなんて恐れ多くてできないよ。
だから、2年1組の授業は、緊張する。
………って、まだルイを指したことないけどね。
実は、私はこの学園に来る前に一度だけ彼に会っている。
ゼミでのバイトの初日に、どこから入っていいか困っていた時に、さり気なく助けてくれた。
夏期講習に通っていたのだろうけど、コースが違っていたからか、それきり会うことはなかった。
それでも、よく覚えている。
あんな特別感ある人って、そうそういない。
王子様オーラを醸し出しているもんなあ。
学園に来てルイを見かけた時に、すぐにあの時の彼だと気づいた。
こんなに美しい顔立ちの素敵な人を見間違うわけないしね。