第23章 私立リアリン学園!昼休み~シド&ルイ~
授業が終わると、私は、真っ先に1年1組の教室に向かっていた。
ムスッとした表情で頬杖をついているアラン。横にレオが並んで座っていて、そのすぐそばに笑顔で立っているユーリの姿が見える。
「それでね………」
レオが、二人に話をしている。
そんな三人の間に割り込み、話を遮る。
「ちょっと!」
「あれ?次の授業、マイン先生だっけ?」
「なんで、シドがロイドだって教えてくれなかったの!?」
私は、レオとユーリを交互に睨みつける。
「もう突きとめちゃったんだ?早いね」
「マイン先生、名探偵 ♪ 」
私が一人息巻いてるのに対して、レオとユーリは、のほほんとしている。
この温度差は、許せないっ!
「名探偵って、あのねえ!言ってくれればいいじゃない。こっちは質問してるんだからさ!」
「だって、それじゃ、つまんないじゃん。シドがロイド、俺とアランが双子、なんて知らないの、マイン先生くらいだからさ。自分で発見した方が面白いかなと思って」
レオは、可笑しそうに笑う。
「面白いって!?それって、ひどいんだけど!」
「本当だよ、ひどいな」
ん?
アランが私に共感してくれてる!
「そういう面白い話は、俺にも先に教えておけよな」
アランが、意地悪そうな笑顔を向けたかと思うと。
三人で笑い合ってる―――。
コ、コイツら~~!!!
完全に、私で遊んでるよね?
「マイン先生、そろそろチャイム鳴るよ?次の授業、はっじまっるよ~~ ♪ 」
ユーリの明るい声に、フツフツと怒りがこみ上げてくる。
悔しい~~!!!
あ。
「そうだ、ユーリ!私、ユーリがシドのこと『用務員のおじさん』って呼んでるって、言っちゃったから。後でシメに来るって言ってたよ ♪ 」
「え………マジ?」
ユーリがサッと顔色を変えたのを見て、笑みがこぼれた。
「さ、次の授業、はっじまっるよ~~ ♪ 」
私は、意気揚々と1年1組の教室を後にした。