第23章 私立リアリン学園!昼休み~シド&ルイ~
「あ………っと、邪魔だね、ごめん」
私は、現実に引き戻されたようにハッと我に返って。
廊下の端に移動して、ルイに道を空ける。
「マイン先生は、邪魔じゃない」
ルイは、チラリとシドを見る。
「つまり、俺が邪魔ってことか?はっ、言ってくれるじゃねえか」
シドは、可笑しそうに声を上げて笑う。
「シド、今年で留年、何年目だっけ?」
その言葉に、シドは、ピクリと眉を動かして。
笑うのをやめて、ルイを睨みつける。
「今年卒業できなかったら、俺と同じ学年になるんだけど?」
「チッ、余計なこと言ってんじゃねえよ、泣き虫ぼっちゃんが」
シドが苦々しい口調で言い返す。
泣き虫ぼっちゃん?
………それって、ルイのこと?
「予鈴鳴ってる」
「え」
ルイに言われて。
確かに。
キンコンカンコン~ ♪
チャイムが廊下中に鳴り響いている。
シドは、スッと私の横を通り過ぎると、振り向きもせず、スタスタと遠ざかって行く。
「あ、シド、待って、授業!」
それから、もう一度振り返った時には、そこにはもうルイの姿もなくて―――。