第23章 私立リアリン学園!昼休み~シド&ルイ~
「シ………ロ?」
シド、と言いかけて、やっぱりロイド、と呼んだ方がいいのかと思い直す。
けど、それは、すべてが言葉にならず………。
「おい、シロって何だよ?俺は犬じゃねえ」
私を見下ろしているシドを、私も同じように見上げる―――。
「どうして?どういうこと?ロイドは、シド?本当に生徒なの?だって、絶対絶対、私より年上だよね?どっちかっていうと用務員のおじさんの方がしっくりくるよ?あ!それに、なんで生徒なのに用務員のおじさんしてるの!?」
私は、シドに詰め寄って。
もうもう、質問が止まらない。
だって。
あまりにも衝撃的すぎて。
しかも、何がなんだかさっぱり分からない!!!
すると、背後から静かな声がした。
「邪魔」
振り向くと、そこに立っていたのは―――。
えっ、あ………。
ル、ルイ!?
私は、慌ててしまう。
ルイ―――。
ルイ=ハワードは、2年1組の生徒だ。
それよりもなによりも!
彼は、学園の王子様だ。
今だって、背景に薔薇背負ってるし、王冠にマント、白馬に跨っている彼が容易に想像できる。
綺麗な金髪に、憂いを帯びた青い瞳。
左目の下のホクロが印象的で。
―――氷の王子様。
無表情で冷たい表情を浮かべている彼を、密かに皆そう呼んでいる。