第23章 私立リアリン学園!昼休み~シド&ルイ~
「シドは、街に行ってたの?」
私は、話題を逸らそうとシドの持っている紙袋に目を向けた。
「買い出しに行って来た」
「いいなあ」
「なんだ、まだ行ったことねえのか」
「次のお休みにはって思ってるけど、どこ行っていいのかよくわからなくて」
「次の休み、か………土曜の午後でいいか」
「連れて行ってくれるの?」
「二時にそこ、校門で待ってろ。買い物して、夜は飲みに行こうぜ」
「うん」
単純に嬉しかった。
一人で出かけるよりは、絶対に楽しいだろう。
「それまで、これでも飲んでろよ」
そう言って。
シドは、紙袋から一本の缶ビールを取り出した。
「定期的に餌付けしとかないとね」
私は、缶ビールを受け取って笑う。
「言うじゃねえか」
「ふふっ、ありがと。じゃ、おやすみ」
シドが片手をヒラヒラと振って去って行った。
私のために買ったわけじゃないだろうけど、こんな不意打ちっていいね ♪
缶ビールを見つめながら足取り軽く、宿舎へと歩き出す。
ん、あれ?
玄関に、誰かいる。
じっとこっちを見ている。
ふんわり金髪の長い髪………。
「ミシェル?」
さっさと部屋に行ったと思ってたけど。
どうしたんだろう?