第23章 私立リアリン学園!昼休み~シド&ルイ~
手元の投票用紙がなくなり、一息つく。
アルバートとノアはそのままパソコンで集計作業を続け、カインとレオは合宿の会計を始めた。
「手の空いた者は片付けを始めてくれ。マイン先生とミシェルは、先に終わるといい」
ゼノ様が、言うと。
「では、お先に失礼します」
ミシェルは、さっさと帰り支度をし、立ち上がる。
「私は、もう少し手伝います」
ジル教頭にお願いされたし。
顧問として、最後まで見守った方がいいかなと思って。
「外も暗くなってきたようだ。いくら学園の敷地内とはいえ、夜道であることに変わりはない。ミシェルを一人で帰すわけにもいかない。マイン先生も一緒に帰ってもらえないだろうか」
あ、そうか。
そういうことだったのか。
ゼノ様の気遣いを感じて、素直に頷いて立ち上がる。
「俺もおしまいにしよっと!これ、シュレッダーに掛けて帰りますね。行こ、マイン先生、ミシェル様。じゃ、お先に~」
ユーリが集計用紙の束を持って、私達に続いて生徒会室を後にした。
シュレッダーに向かうユーリと途中で別れ、ミシェルと二人で校舎を出て、宿舎へと向かう。
二人で並んで歩いているけれど。
………会話が、ない。
思いつかないし!
校舎を出てから、そんなに距離があるわけじゃないのに、なんだか妙に長く感じる………。
いろいろ考えを巡らせるけれど。
やっぱり、何も浮かんでこないよぉ。
仕方ないので、ただ黙って歩いていく。
チラリとミシェルの方を見る。
ミシェルは、そんなこと気にしていないようだ………。