第23章 私立リアリン学園!昼休み~シド&ルイ~
~試合~
次の日、日曜日の朝。
今日は、サッカー部の試合だ。
もうすでにサッカー部員は、グラウンドへ向かっていて、私達は片付けを済ませてから応援に行くことにしていた。
「マイン先生、ゴミここにあるのだけ?俺、捨てたらそのままグラウンド行っちゃうけど、他に何かある?」
「ううん、大丈夫だよ。ユーリ、ありがとう。私も最後の見回りしたらすぐ行くね」
合宿所に誰もいなくなるので、私は、戸締りの確認に行く。
―――今日も暑い。
外に出ると、もうすでに太陽はギラギラと照りつけている。
皆より少し遅れてグラウンドへ着いたけれど、試合はまだ始まったばかりだった。
他校の生徒もたくさん応援に来ていて、グラウンドは活気に溢れている。
他校生側からもアランへの声援が聞こえてくるんだけど………。
やっぱり、すごい人気なんだね。
人垣の切れ目がなかなかなくて、グラウンドがよく見えない。
どこかにいい場所はないかと歩いていく。
ん?
明らかに、浮いてる人が一人いる―――!
長身の彼は、制服の生徒が多い中、この暑いのに一人だけ濃紺の上着をまとい、腕組みをして鋭い目つきで佇んでいる。
でも、彼が一人だけ浮いてると感じた理由は、それだけじゃない。
不思議なことに、彼の視線は、グラウンド上の試合には注がれていないのだった。