第23章 私立リアリン学園!昼休み~シド&ルイ~
「この写真、年度行事のファイル用だからね」
もっと中心に寄るように指示を出しながら、ユーリが言う。
「な………っ、貴様、こんなふざけた写真をあのファイルに貼るというのか?」
アルバートが、声を荒げる。
年度行事のファイル………?
私は、ああ、と思い起こす。
生徒会室で見た、年度別の行事を記録したファイルのことか。
ふざけた写真って………確かに。
私、三年分見たけど、どの写真も制服できちんと整列した、かしこまった写真だった。
本当に、こんな、遊んでます的な写真でいいのかな?
「今までとは違うが、生徒会が楽しいということが伝わっていいだろう」
ゼノ様も微笑んでいる。
それもいいよね。
こうして過ごす、この時間が、かけがえのないもので。
それを、この一枚の写真にギュッと収めて。
皆で思い出を語る時が来るのも楽しみだったりする。
急に、一斉にワーワーと騒ぎ出したので、何かと思って見ると、足元に火花が散っている。
「え、何これ」
「マイン先生、逃げろ!」
ネズミ花火に火が点いたのだ!
「嘘、やだっ」
足元でシュルシュルと動く火花を避けようと飛び跳ねる。
パンパンパンッ!!!
なんとか逃げきって、その場にへたり込む。
「もうやだ~」
「マイン先生、大丈夫?」
笑い声は、絶えることなく、夜の闇の中で、いつまでも続いていた―――。