第23章 私立リアリン学園!昼休み~シド&ルイ~
準備が終わり、バーベキューコンロに火が点けられた。
まだ日が落ちていないので、じっとしていても汗が吹き出してくるというのに、コンロの周辺は更なる暑さだ。
アランとカインが汗を拭いながら、お肉を焼いていく。
一通りの食材がコンロに並べられ、一段落すると。
「乾杯の準備しようぜ!」
カインの掛け声で、皆が紙コップに飲み物を注ぎ合う。
「マイン先生、何飲みます?」
ミシェルが、テーブルに並んでいる大きなペットボトルを指差して尋ねる。
ウーロン茶にオレンジジュース、コーラにカルピスと、なんでも揃っている。
「あ、はーい。じゃあ、私、ビール ♪ 」
って、言ってみる。
………と。
「はい?」
冗談、通じなさそ~な、ミシェルの固まった表情。冷たい目つき。
やめておけばよかった………。
すると―――。
「はい、はーい」
背後から、ユーリの声がしたかと思うと。
ヒヤリッ。
頬に、冷たい感触―――。
振り向いて見ると。
え、これって………缶ビール?
「………っ!どうしたの、これ?」
「俺からって言いたいとこだけど、実は、これもシドからの差し入れ。あ、でもキンキンに冷やしておいたのは、俺だからね?」
朗らかに笑ってウインクするユーリの手から、缶ビールを受け取る。
すごい嬉しい~~!
バーベキューって言ったら、やっぱビールがなくちゃね。