第23章 私立リアリン学園!昼休み~シド&ルイ~
「シドって?」
私は、疑問に思ってユーリに聞く。
「あれ、マイン先生、シドを知らないの?シドはね、学園の便利屋さんなんだよ」
「便利屋?」
「そう。う~ん、用務員のおじさんってトコかな」
「用務員のおじさん………それが、どうしてこんな、高級霜降り肉を差し入れしてくれるの?」
「いろんなツテがあるみたいだよ。あ、アラン様、お肉切ってもらえる?」
「仕方ねえな………こういう肉ってのはな、焼き方も大事だけど、肝心なのは、やっぱ切り方なんだよ。見てろよ」
そう言って、皆がアランの包丁さばきに目を奪われている間、私は一人、首を傾げていた。
こんなお肉、ヒョイっと差し入れしちゃうなんて………生徒だけでなく、用務員のおじさんまでも一般庶民レベルじゃないんだなあ。
霜降り肉をアランが切り分けている間、台所から中庭に出られる勝手口を皆が行き来してるので覗いてみると………。
中庭にバーベキューコンロと折り畳みのテーブルに椅子が用意されている。
サッカー部員達がメインでテーブルを設置しているとこだった。
出来上がったテーブルに飲み物やお皿が運ばれて来て並べられていく。
なんかすっごくワクワクするなあ。
私もなにか手伝おうっと!