第23章 私立リアリン学園!昼休み~シド&ルイ~
「じゃ、早速、始めまっす!」
サッカー部員達が、お風呂からあがって一段落すると、全員を食堂に集めた。
生徒会メンバーとサッカー部員達に、数学の授業を始めることにしたのだ。
さっき、ユーリにもお願いしておいて、筆記用具を人数分用意してもらっていた。
合宿の始まりに、アランと話したことがずっと心に引っかかっていたので………。
『合宿来てまで勉強すんのかよ?』
そう言っていた、アラン。
確かに、サッカー部は練習、生徒会はミーティングで、ずっと忙しかった。
結局、この三日間の中で、今しか勉強する時間が取れなかったけど。
学生の本分は、勉強だもん。
限られた少ない時間だけど、先生として、教えられることがあるなら全力を尽くしたい。
そうして、始められた臨時授業。
思っていたより、皆、真面目に授業を受けているな………。
一時間の授業は、あっという間に終わりを迎えた。
「はい。では、これで授業を終わります」
私は、柱時計に視線を向け、終わりを告げると。
全員が立ち上がり、その場で頭を下げる。
「ありがとうございました!!」
皆の大きな声が、食堂に響いた。
驚くほど、その表情は、生き生きとしていて。
正直、合宿に来てまで勉強なんて、と思われてるんじゃないかと気にしてたけど。
一生懸命な生徒達の眼差しが、とても嬉しくて、心が温かくなった。
「じゃ、次は夕食の準備だからね。皆、手伝いよろしく~」
ユーリが声を張り上げる。
「マイン先生、お疲れ様!授業、すっごくよかったよ」
ニッコリ笑顔のユーリ。
「ありがと。あ、これ、部屋に置いて来たら手伝うね。夕食は何?」
「合宿最後って言ったら、アレっきゃないでしょ ♪ 」
「………? アレって?」