第22章 私立リアリン学園!~カイン~ 情熱編
この噂には、裏がある。
俺は、そう直感したが………。
なんせ、噂が本当かどうか、確かめようがない。
ここは、本人に直接聞くのが筋だろうが………。
けど、どうやって聞けばいいんだよ?
二人きりになる時なんて、そうそうない。
そしたら、ユーリが言い出した。
『俺が魔法使いになって『おいしくなあれ』の魔法をかけてあげようか?』
その言葉に、思わず反応しちまった。
………このメンバーならいいだろう。
コイツらだって、マインのことを少なからずとも色メガネで見てる。
いつまでも、そんなの続けてたまるか。
―――ここで、はっきりさせよう。
ただ一つ、言えることは。
俺は、マインのどんな過去だって受け止める。
それに対してアイツを陥れようとしているヤツがいるとしたら、絶対に許さねえ。
そして、それは、ここにいるメンバーも同じ気持ちだろうと確信してる。
俺一人でも、マインを守ってやるつもりだ。
けれど、仲間は多い方がいい。
俺が信頼できるこのメンバーなら、必ずマインの味方になってくれるだろう………。
そうだとしても、切り出し方は悪かった。
『おいしくなあれ、の魔法、ね。それならマイン先生の方が、適任なんじゃねえの?』
畳み掛けるように、
『ついでに、ラブ注入♥ってのもお願いすっかな』
なんて言っちまった。
一瞬、雰囲気悪かったからな。
けど、他にどう言えば良かったんだよ?
あの時は、考えてる暇なんてなかったんだから、仕方ねえだろ。
………なんで、自分に言い訳してんだか。
とりあえず、場はおさまったから、結果オーライだ。