第22章 私立リアリン学園!~カイン~ 情熱編
「大丈夫かよ?」
ザバリッと。
お湯をかき分けて近づいてくるカイン。
「お、おね、お願いだから、パンツくらい履いてよぉ!!!」
「は?………あっ………」
カインは、やっと事の次第に気づいて、頭の上に手をかける。
その仕草で、タオルを腰に巻きつけたんだろうと推測できた。
もう、私はパニクり過ぎて、お湯の中にへたりこんだまま、立ち上がることができないでいた―――。
「なあ。見られたの、俺。恥ずかしいのは、こっちなんだけど?」
「し、知らないわよ、そんなのっ」
………もう、思い出させないでよ―――!!
「おい」
途端にカインに腕を掴まれる。
「きゃぁぁ~~~!!!触んないで!」
「バッ、んな大声出すんじゃねえ」
カインは、慌てて腕を強く引き、もう片方の手で私の口を塞ぐ。
「んっ………んんっ」
「頼むから、大声出すなよ。いいか?」
私の耳元で静かに言う。
カインの息づかいがすぐそばに感じられて、それだけでもうのぼせてしまいそうだ―――。
私は、やっとの思いでコクコクと頷く。
ゆっくりと口からカインの手が離れて行くと。
今度は、腰に腕が回され………。
「え………ちょっとっ!!」
身体が浮き上がったかと思うと、フチに座らせられた。
少し距離を取って、私を見下ろしているカイン。
「何勘違いしてんだよ」
「だ、だって………」
私は、恥ずかしさで顔を上げられない。
目の前のカインは、多分、タオル一枚で………。