第21章 私立リアリン学園!7時間目~カイン~
カインは、ペンケースの横に置いてある電子辞書を手に取り、軽く振ってみせる。
「俺も辞書持ってるんだけど。しかもデジタルなヤツ。マイン先生、なんでそんなアナログなんだよ?」
「私だって電子辞書くらい持ってます!でもね、こうやって辞書を捲るって勉強になるんだよ。調べたい単語にたどり着く間に、他の意味や言葉を見つけたりすることもあるの。それにほら、一度調べた単語にマーカーで印つけたりもできるから、自分がどれだけ覚えたか、ひと目でわかるでしょ」
「エロい単語見つけてニヤニヤしながら印つけたりもしてんだ?」
カインは、意地悪く笑いながら、英和辞典をパラパラと捲ってる。
「あのねえ。カインじゃあるまいし!」
まったくぅ。
こんなんじゃ、いつまでたっても終わらないよ。
「わかった」
急に真面目な表情を見せるカイン。
「ん?」
「俺様も忙しい。ついでに………マイン先生も、な。お互い時間を無駄にするのは良くねえ。とっとと片付けてやる」
片付けてやるって………どっか偉そうなんだよねえ。
「じゃあ、お願いします」
カインは、古今和歌集を手に取ると真剣に読み始めた。
けれど、すぐに難しい顔をして、ガリガリと頭を掻いている………。