第21章 私立リアリン学園!7時間目~カイン~
………っ!!!
触れているカインの手………熱い。
「んっ………」
私は言葉を発しようと唇を動かすと………カインの手がビクリッ、と震えて離れていく―――。
「な、何するのよっ!」
ドクドクと脈が早くなっている自分に気づく―――。
「口の減らねえヤツだな………もっかい塞ぐぞ」
「………っ、もういいから始めよう。時間なくなる」
ジル教頭からもらった真新しいテスト用紙をカインに差し出す。
「今度は、ちゃんと日本語で書くんだよ?」
そう言いながら。
さっき読んだカインの論文を思い出す。
あんな優れた論文に赤点をつけられた理由が、もう一つあったのだ。
「あ、それから、さっきの論文だけど、和歌についての記述がないんだよね」
「和歌って何だよ」
「え、そこ?ちょっとぉ、全然知らないわけじゃないよね?」
………うーん。
私は、持って来たトートバッグの中をガサゴソと探り、国語辞典、英和辞典、新古今和歌集を取り出す。
「これ、ちょっと読んでみて。現代語訳の解説も入ってるから読みやすいよ。この中から気になる和歌について書いてみよう。あと、せっかくだから、書いたこの英文を日本語に訳していこうか」
取り出した辞典をカインの前に並べる。