第21章 私立リアリン学園!7時間目~カイン~
~約束~
昼食を食べ終わると、アルバートが手帳を広げる。
「この後ですが、しばらくは自由時間とします。各自部屋で勉強するといいでしょう。三時からミーティングを再開しますので、食堂に集合してください」
自由時間。
と、いうことは………。
わかってる、よね、カイン?
私は、チラリとカインの方を見る。
カインは、私の視線に気づいたようだけど………ふいっと顔を逸らす。
ん、もう!
皆は立ち上がり、部屋へと向かう。
よし!
私は、意を決して立ち上がる。
皆に続いて歩き出すけれど。
ずっとカインを目で追っている。
だって………。
部屋に入って行こうとするカインに、小声で声を掛ける。
「あの、カイン」
………皆には、知られたくないよね、こんなこと。
それは、もちろん私も―――。
私は、皆に聞こえないように声を潜める。
「この後………イイ?」
カインは、少し驚いた顔をして、頭をかく。
「………なんで俺が、お前なんかと………めんどくせえな」
「あのねえ、私だって………っ」
言い返そうとして口をつぐむ。
いけないっ。
雰囲気、良くしないと―――。
と、部屋に入ろうとするカインの腕を慌てて掴む。
「え、ちょっと待ってよ!ねえ………そのつもりは、あるんだよね?」
ギュッと。
カインの腕を掴む手に、力を込める。
ここまで言って断られたら、私………。