第21章 私立リアリン学園!7時間目~カイン~
私達は、ユーリとノアに続いて台所へ向かった。
サンドイッチ用のパンとバター、ハムにチーズ、レタス、キュウリ、トマトが容器に入れて並べられている。
「皆忙しいだろうから、簡単にできるものがいいかなと思って。さ、作ろう」
ユーリが声を掛ける。
「これ、どうすんだよ」
カインがユーリに聞いている。
「だから、ただパンに材料挟むだけですってば。ほら、こうやって、まずバター塗って………あ、皆、ちゃんと手洗ってね」
「ユーリ、お母さんみたい」
私は、クスッと笑って、そう言う。
「えー、今度は俺、お母さん?生徒会にこき使われて、そのうちおじいさんになっちゃいそう」
「よう、ユーリじいさん」
「カイン様には、言われたくないですー」
カインとユーリの和やかなやり取りを横目に、私たちはサンドイッチ作りに取り掛かった。
出来上がったサンドイッチをお皿に乗せ、食堂のテーブルに並べる。
ユーリとノアが、人数分のスープをカップに注いでくれている。
「案外、質素だな」
サンドイッチを眺めながら、カインが呟く。
「カイン、コーンスープもあるよー」
ノアが、カップを掲げてみせる。
「サンドイッチって言ったら、ローストビーフとかスモークサーモン入るだろが」
カインが、不満そうに、また言う。
「金持ち臭いサンドイッチだね」
私は、反論してみる。
「俺様は、どうせ食うなら美味いもんが食いたいって主義だ」
カインが私を睨む。
「まあまあ。予算も限られてるし。あ、なんなら、俺が魔法使いになって『おいしくなあれ』の魔法をかけてあげようか?」
ユーリが、険悪になりかけた私達の間に入ってくれる。
「今度は、魔法使いか………まったく、貴様という奴は………」
アルバートが呟くと。
「おいしくなあれ、の魔法、ね。それならマイン先生の方が、適任なんじゃねえの?」
カインは、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。