第21章 私立リアリン学園!7時間目~カイン~
~過去~
生徒総会に向けての話し合いは、まだまだたくさんあって。
午前中の時間は、あっという間に過ぎていった。
「コンコーン、昼食の準備始めるよ~」
笑顔とともに、明るいユーリの声が食堂に響く。
夢中で話し合いを続けていた生徒会メンバーは、顔を見合わせる。
そういえば、お腹空いた!!
片付けを済ませ、台所に向かおうとして、食堂を振り返る。
ゼノ様とアルバート、カインはまだなにか話しているようだ。
「では、こちらの案件は、俺が責任を持って処理します」
そう言って、アルバートがゼノ様から書類を受け取っている。
「おい、アルバート、それは俺がやってやる。お前、これ絶対どれか抜けそうだからな」
「な………っ、カイン=ロッシュ、俺は、仕事は完璧にこなす。抜けるなどありえない」
「抜けなくても、後から終わらねえとか泣きつかれても困るしな。よこせ」
カインは、強引にアルバートから書類を奪っている。
………あー、また俺様節炸裂かあ。
「では、その案件はカインに頼むとしよう。確かにアルは仕事を抱えすぎだ。こういう時、いつもカインが配慮してくれているな。ありがたい」
「俺は別に………そんなつもりじゃないですって」
―――ゼノ様が、カインを褒めてる?
いつもカインが配慮してくれてるって………。
そっか。
言い方は悪いけど、確かにアルの仕事を代わりにやってあげるって言ってるんだよね。
ほんと、ひねくれた奴―――。