第21章 私立リアリン学園!7時間目~カイン~
「………はあ?どういう意味?」
「どういう意味もねえだろ。先生なる前までは、毎日『ご奉仕』してたんだろ?」
「………っ、ご奉仕って………」
やっと、カインが何を言おうとしているのか見当がついて、慌てる。
………まさか、暴露するつもりじゃないよね?
『俺は、お前の弱みを握ってるんだ』と言わんばかりに得意気な表情で私を見下ろすカイン。
「ついでに、ラブ注入♥ってのもお願いすっかな」
カインが、意地悪く言う。
「………」
こんなとこで、メイドカフェのバイトをばらされるなんて………。
私は、唇をキュッと噛みしめる。
なんとかこの流れを止めたくて、頭の中で四苦八苦する。
何か言わなきゃ、何か………。
焦りが募るだけで、考えは空回りする一方だ―――。
「カイン、そのくらいでやめといたら?」
口を挟んだのは、レオだった。
「誰だって触れられたくない過去ってのがあるんだよ。マイン先生にも事情があってのことだろうし………それを、こんなふうに皆の前で晒すなんて失礼だと思うけど」
「は?別にいいだろ。こいつに失礼もなにもねえんだよ」
珍しく強い口調のレオに、反論するカイン。
「あの………ちょっと」
私は、どうしていいかわからないままに、なんとか二人をなだめようとするけれど。
言葉が続かない………。