第21章 私立リアリン学園!7時間目~カイン~
「そろそろ行かないと、メガネ君に怒られちゃうよ?」
ノアが、またのんびりとした口調に戻る。
「メガネ君って………」
アルバートのこと、だよね。
あ、でも、食器棚、整理しなきゃ………。
私は、後ろの食器棚に目を向ける。
あれ。
あんなにグチャグチャだった食器が、きれいに重ねられている。
え、なんで?
………さっきまで、私の周りでお手伝いしてくれてたのは、サッカー部員だけで。
あ。
いた。
もう一人―――。
………もしかして、これ、カインが片付けたの?
でも、あんな短時間で?
お皿も拭いてたのに………?
私は、首を傾げる。
器用なんだか不器用なんだか、さっぱりわからない………。
けど、一つだけ言えることは。
私は、まだ、カインの表面しか見ていないってこと―――。