第20章 私立リアリン学園!~ゼノ~ 情熱編
チュ………。
唇に音を立てて口づけると、ゼノ様は私を見下ろす。
あまりの胸の高まりから、息をするにも苦しいくらいに全身が震える。
自然と潤んでいく瞳で見上げる―――。
「こんな顔もするのだな」
ゼノ様の指が、ゆっくりと頬を撫であげる。
「こんなって………どんな?」
「顔が真っ赤だ。そんなに恥ずかしいか?」
「だって、こんなのって」
私は、ゼノ様から顔を背ける。
その反動で、私の瞳からは、一筋の涙が頬を伝っていった。
「なぜ泣く?」
「………わかりません」
ゼノ様とこうしていることが、夢みたいで。
でも、現実で―――。
嬉しい。
けど。
私とゼノ様は………。
「俺は、マイン先生を側室などに、おさめるつもりはない」
「………!?」
何を言っているのだろう………。
一瞬、思案して。
え、もしかして。
こないだの、生徒会室の鍵を渡された時の、話………?
ええっ!?
つまり、それって!
ゼノ様の部屋の合鍵を託されたと思った、私の勘違いに気づいてたってこと?
………それって、すっごく恥ずかしいっ。
あの時、笑い飛ばしてくれた方が、まだマシだったんだけど!