第20章 私立リアリン学園!~ゼノ~ 情熱編
ゼノ 情熱編<R18>
~二人~
玄関を開けると、C棟からは、まだ騒がしい声が聞こえてきていた。
入って右に曲がった先が、A棟だ。
私とゼノ様の部屋はA棟のすぐなので、あっという間に部屋の前にたどり着いてしまった。
向かいの部屋がゼノ様の部屋で。
私達は、お互いの部屋のドアを背に、向かい合って佇んだまま―――。
離れたくない―――。
単純に、そう思った。
ゼノ様も同じように思っていてくれたらいいのに………。
あ。
C棟の方から、ドアが開く音がして、大きな笑い声が廊下に響いてきた。
誰か来る―――。
その気配に、やっと踏ん切りがついて。
「あの、じゃ、おやすみなさい」
私は、軽く頭を下げると、背を向けて部屋のドアを開ける。
部屋に一歩足を踏み入れた時………。
背後に気配を感じて。
振り向くと同時に。
激しく口づけられて―――。
「………んっ」
驚きに目を見開く私を、後ろへと押し込むようにゼノ様の身体が迫り、そのまま部屋へとなだれ込む。
バタンッ。
勢いをつけてドアが閉まっていく―――。
「………はっ、んっ」
強引に、激しく重なる唇―――。
「ん………ふぁ」
夢中でキスを受け止めていると、膝裏にベッドのフチがあたり………。
なすがまま、ベッドに座ると。
ギシリ。
ベッドを軋ませて、ゼノ様の膝がベッドに乗り上げる。
傾きかけた上半身は、ゼノ様の唇に押されるようにゆっくりとしなりながら、後ろへと倒れていった―――。