第19章 私立リアリン学園!6時間目~ゼノ~
少しすると。
ゼノ様は、手にペットボトルを二つ持って戻ってきた。
そのうちの一つを私に差し出す。
「ミルクティーは売り切れだった。レモンティーでもいいか?」
「え、そんな。ありがとうございます」
ゼノ様は、コーヒーのペットボトルの蓋を開けると、ゆっくりと飲む。
私も隣りでレモンティーを一口コクリ。
………!
冷たくて美味しい!
そういえば、食堂に水を飲みに来たんだった―――。
私は、夢中でゴクゴクと飲み続ける。
「喉が乾いていたのか」
「ちょうどシャワーを浴びた後だったんで。あ、ゼノ様も、ですよね?」
まだ乾ききっていない、しっとりとした感じの無造作なゼノ様の髪。
………なんで、こんなにドキドキするんだろうっ。
と。
「マイン先生もいい匂いがするな」
そう言って。
私の髪をひと房手にして、顔を寄せる―――。
「………!!」
間近にゼノ様を感じて、私は、心臓がバクバクと大きな音を立てる―――。
サラリと。
ゼノ様の手から私の髪が、こぼれ落ちていき………。
夜色の瞳が、しっかりと私を見据えている―――。
「の、喉が乾いてる時は、レモンティーの方がスッキリしてていいですね」
私は、慌てて言葉を紡ぐ。
な、なにか話していないと、身が持たないよ!!