第19章 私立リアリン学園!6時間目~ゼノ~
なんか………気が抜けていく。
「ごめんなさい、私、全然そんなこと思いつかなくて………」
「謝る必要はない」
「あ、でも、あの写真、ほんとにかわいいって思ったから………」
「男にかわいいは、褒め言葉ではないが?」
「あ、えと、そっか、そうですよね、ごめんなさい………って、私また謝ってるし!」
しどろもどろになって………もう、めちゃくちゃだ。
私は、いたたまれなくなって、顔を覆う。
ドキンッ。
私の手に、ゼノ様の手が重なる―――。
ゆっくりと手を取られ、顔から手が離される。
私は、ゼノ様を見上げる。
「また、泣かせてしまったのかと思った」
ゼノ様が、ほっと息をつく。
「………そんな簡単に泣きません!」
私が強く言うと。
優しい笑みを見せた。
………ゼノ様、こんなふうに笑うんだ。
あ―――。
ゼノ様は、ゆっくりと私から手を離す。
ぬくもりが離れてしまったことを、少し残念に思う。
「まだ時間は、あるか?」
「え?ええ」
就寝時間なんて、決めてなかったと思う。
だから、まだ………もう少し、ここで、こうしていたい―――。
「すぐ戻る」
そう言うと、ゼノ様は合宿所の方に戻っていく。
………なんだろう。
すぐ、戻るんだよね。
私は、ゼノ様の消えた辺りをじっと見つめて待つ。