第19章 私立リアリン学園!6時間目~ゼノ~
食堂には、誰もいない。
C棟の方から、ふざけ合う楽しそうな声が聞こえてくる。
枕投げとかしてるのかなあ。
皆で泊まるって、テンション上がるよね。
A棟の生徒会メンバーは、部屋で各々過ごしてるのかな。
せっかくだから、集まって過ごせばいいのに………。
ま、個性的な集まりだからね。
最初は、相容れないといった感じに見えたけど、そうじゃなかった。
団結力というよりも、お互いを尊重して個々の能力を引き出してるとこあるよね。
彼らは、お互いの距離感を大事にしてる。
必要な時は踏み込むけど、それ以上はしない。
ゼノ様がそういう人だから、なのかも。
私は………。
そういう大人な付き合いじゃなく、心を許しあって、もっと深くお互いを知り合いたいと思うんだよね。
生徒会メンバーは、それを望んではいないみたいで、私一人空回っちゃうんじゃないかと思ってたけど。
意外と私、溶け込んでるよね。
と。
台所の窓の外に、動く影を見つける。
………誰かが、外にいる?
こんな時間に外って。
サッカー部の誰か、かな?
手間かけさせないでよね!
一応、先生だから、連れ戻しに行かないとだよ!