第19章 私立リアリン学園!6時間目~ゼノ~
ごはん、カレー、サラダの入った容器を食堂に並べると、皆は待ってましたと列を作り、各々お皿に盛り付け、席に着く。
夕食は、賑やか過ぎるほどだった。
サッカー部員達は、とにかくよく食べ、よく笑う。
「このカレー、すっげえ美味い!」
「おかわり!」
「俺も!」
そんな声が、あちこちから聞こえ………。
「やはり、俺の調合したスパイスが決め手だったか。この、そこはかとなく香るスパイス、絶妙な味わい………素晴らしい」
満足気に頷いているアルバートを見ながら、私達生徒会メンバーは笑いをこらえるのに必死だ。
「まんま、ハーモンドカレーの味だよね?」
と、レオ。
「ああ。ひとさじたりとも入れてねえからな」
これは、カイン。
二人がこっそりと話すのが可笑しくて、ついに全員で吹きだしてしまう。
「なにか、おかしなことがありましたか?………まったく、理解不能です」
アルバートは、怪訝そうな顔つきをしながらカレーを口に運んでいる。
「こだわり強いのか、味音痴なのか」
呟くアラン。
「完全に後者でしょ」
冷たく、ミシェル。
「おいしければいーんじゃない?」
のんきなノア。
「俺達もおかわりしよー!」
明るく笑うユーリ。
そんな私達を、穏やかな微笑みを浮かべて見ているゼノ様―――。