第19章 私立リアリン学園!6時間目~ゼノ~
「キャプテン、俺らも手伝いましょうか?」
「お、マイン先生がいる!」
「えー!俺、俺、手伝いたい!」
練習に向かおうとしていたサッカー部員達が、こぞってドアから顔を出す。
「お前らの中で使える奴いるのかよ?おい、ここは、アランがいるから充分だ。お前らは練習に行け!」
カインが言うと、サッカー部員達は、ガヤガヤ言いながらグラウンドへと向かって行った。
カレー作りは順調で、材料は切りあがり、カインが大きな鍋で炒めている。
アランは、材料を切り終わったところで練習に戻った。
私とユーリはきゅうりを切り、レオは、レタスをちぎっている。
ミシェルとゼノ様は、テーブルを拭いて食器を出している。
「………なんで俺一人でこんな大仕事してるんだ?おい、ノア、そんなとこで寝てねえで手伝え!」
カインは、汗をビッショリかきながら、大きなヘラを動かし続けている。
ノアはといえば、台所の隅で床にそのまま寝転がっている。
「んー?俺やることある?皆の邪魔したくないし」
「か・き・混・ぜ・ろ!」
「あー、それはいいや、遠慮しとく」
「は?手伝いに来たんだろ?」
「カインの仕事取っちゃ悪いからー」
ノアは、また目を閉じる。
カインとノアのやり取りを、私達は笑いながら聞いていた。